CrocosSecurityBundleの新リリースについて
CrocosSecurityBundleは認証管理用のバンドルで、Symfony2標準のSecurityBundleが複雑で使いづらかったのでシンプルに管理できるように作成したものです。
最初のリリース後に何回かアップデートを重ねていまして、公開当初よりも機能が増えたりしています。本日バーション1.4をリリースしたので、これまでリリースとあわせて紹介します。
1.2
1.1はhotfixで使ったので2回目のリリースは1.2になります。ここでの主な変更は、AuthException例外の追加とリファクタリング、バグフィックスになります。AuthExceptionはどこかでスローされると、ログイン画面へ遷移(forward)するようになっています。
<?php use Crocos\SecurityBundle\Exception\AuthException; $security = $this->get('crocos_security.context'); if (!$security->isAuthenticated()) { throw new AuthException('Authentication required'); }
1.3
1.3から、Twigのテンプレート内でSecurityContextオブジェクトが _security 変数として参照できるようになりました。
{% if _security.isAuthenticated %} <p>Logged in as {{ _security.user }}</p> {% endif %}
1.4
本日リリースした1.4では、Basic認証のサポート、エンティティでログインしたい人向けのSessionEntityAuthの追加などを行いました。
Basic認証のサポート
SecureConfigアノテーションにbasic属性を指定するだけでBasic認証が行われるようになります。basic属性には"ユーザ名:パスワード"形式の文字列を渡すだけです。
/** * @SecureConfig(domain="admin", basic="admin:adminpass") */
現時点ではコンテナパラメータなどは使えないので設定は固定になります。"%basic_user%:%basic_pass%"のような指定ができてもよいかなと思いますが、とりあえず要望があるまでは保留です。
SessionEntityAuth
SessionEntityAuthはデフォルトの認証ロジックであるSessionAuthの拡張です。SessionAuthはログイン状態をセッションで管理する仕組みで、具体的にはセッションにログインフラグとユーザ情報を格納しておくだけなのですが、このうちユーザ情報はログイン時に渡された値をそのままセッションに格納しているため、エンティティを渡したときにあまりよろしくないことが起こっていました。そこで作成したのが今回のSessionEntityAuthです。
SessionAuthだと何が悪いかというと、1つはオブジェクトがそのままシリアライズされることと、2つめがデシリアライズした時にエンティティがDoctrineの管理対象にならない点です。これらを回避するため、SessionEntityAuthではIDとクラス名のみをセッションへ入れて、セッションから復元する際にクラス名を元にリポジトリを特定し、IDを元にデータを取得しています。これによりセッションには2つのスカラ値が格納されるだけで済み、常にDoctrineの管理対象になるため、更新などもスムーズに行えるようになります。
SessionEntityAuthを使う場合はauth属性に"session.entity"を指定します。
/** * @SecureConfig(auth="session.entity") */
またログインユーザを表すエンティティにはgetId()メソッドが実装されている必要があります。また、ID以外にも何らかの状態(削除フラグなど)をチェックしなければならない場合は、エンティティにisEnabled()メソッドを実装して、その中で状態を判別して、ログイン状態を復元させない場合はfalseを返すようにします。
現時点で僕が必要な機能はある程度そろっており、あとは要望があった時か、バグなどがあったときに拡張していこうかと思います。
あと、READMEを英語に翻訳してくれる方募集中です。